祈祷とは?
祈祷とは、願いを神仏に伝えて御加護が受けられるようにお祈りする、合格祈願にピッタリな儀式です。
通常のお参りであれば、ご自身が祈ることで神仏にお願いを伝えますが、祈祷はあなたの願いを神主や祈祷師、あるいは僧侶が神仏に伝えてくれます。
常に神仏に接している神職に携わる方があなたの祈願を伝えてくださいますので、より一層の御加護を望める儀式といえるでしょう。
合格祈願の祈祷、お寺と神社でどう違う?
祈祷というと、神社を連想される方が多いことと思われますが、お寺でも祈祷はあります。
ここからは、神社とお寺の祈祷について、解説します。
神社の祈祷
神社の祈祷は、神主や祈祷師が神様に祈りを捧げます。
神様と私たちの間を取り持つ神主や祈祷師が、祓詞や祝詞によって神様へ直接願いを伝え、御加護を得られるようにしてくれます。神社によっては、巫女による御神楽が舞われる場合もあります。
寺院の祈祷
寺院の祈祷は、僧侶が仏様に祈りを捧げます。
様式は宗派によって異なりますが、真言宗や天台宗においては密教の要素が取り入れられ、護摩を焚き真言を口唱して仏の加護を求めます。日蓮宗では、木剣という法具をカチカチ鳴らして行う祈祷が有名です。
ただし、浄土真宗においては祈祷そのものの教義がなく、祈祷を行わないことがお釈迦様の教えに忠実だとされていますので、浄土真宗のお寺で祈祷をお願いするのは控えたほうが良いでしょう。
合格祈願の祈祷、祈祷料はいくらくらい?
御祈祷をしていただく際には、申し込みの際に祈祷料をお納めし、祈祷後に祈祷の内容や金額に合わせた授与品をいただきます。
有名な神社やお寺では、金額をホームページなどで紹介しているところもありますが、中には金額が明記されておらず「お気持ちで」という場合も少なくありません。そんな時は、一般的な金額を参考にされてみてはいかがでしょうか。
ここからは、神社とお寺の祈祷料について、解説します。
神社の祈祷料
神社の祈祷料の相場は5,000円程度となっており、複数名で受ける際には1万円以上が一般的とされています。また、人気の有名神社などの場合、最低1万円からとする設定も多いようです。
寺院の祈祷料
寺院の祈祷料の相場は5,000円からとなっておりますが、お寺の場合は授与品にお護摩札があり、料金によって授与されるお護摩札のサイズが変わります。
お納めする際のマナー
祈祷料はあくまでも「神仏にお供えするもの」です。そのため、お財布から直接出すようなことはせず、のし袋か無地の白封筒を用意しましょう。
のし袋は紅白5本の蝶結びの水引を選びますが、5000円程度なら水引が印刷されているのし袋でも大丈夫です。
合格祈願の祈祷、一般的な流れ
合格祈願の祈祷の流れは、神社やお寺によって異なる部分もありますので、詳しくは祈祷をお願いする神社やお寺に確認することをおすすめします。
ここからは、合格祈願の祈祷について、一般的な流れを解説します。参考にしてください。
祈祷の流れ~神社~
1.神社に申し込みをする
申し込み用紙に住所・氏名・祈願内容などを記入し、祈祷料と一緒にお納めします。
2.祈祷の前にすること
神式の儀式に共通することですが、祈祷の前には神様に失礼がないように身を清めておくことが求められます。具体的には、手水舎で両手を洗い口をすすいでから本殿に向かいましよう。
3.祈祷の間
祈祷は、神主や祈祷師による穢れを祓い清める「祓詞」から始まります。この時、祈祷を受ける側は頭を下げた姿勢でお祓いを受けます。次に、神様を称え祈願の内容を告げる「祝詞」が述べられ、神様のご加護を願います。神社によってはその後、雅楽の調べと共に雅な舞を奉納する「御神楽」があります。
4.玉串奉奠
榊の枝に紙垂をつけた玉串を神様に納めます。玉串奉納に関しては決められた手順があり、はじめての方は緊張されることと思われます。不安を感じたら、事前に神社の方に教えて頂いても良いでしょう。玉串奉納の一般的な手順は、下記をご参照ください。
・右手で玉串の根元を上から持ち、左手で枝先を下から支え、胸のあたりで軽く肘を張って持ちます。
・神前にある玉串を置く祭壇の前に進み、一礼します。
・左手で葉の部分を支えながら、右の掌を上にし、玉串を右に90度ほど回し、両手で根元を持ちます。
・玉串を斜めに45度ほど倒し、祈念します。
・祈念がすんだら、玉串の根元を時計回りに180度回転し、根元を祭壇に向けておきます。
5.御神札拝受
儀式終了後は、神様にお供えしていた御米と御神札をいただきます。御神札は自宅の神棚に飾りますが、もしも神棚がない場合は、下記をご参照ください。
・字の書いてある面を表とし、目線より高く清浄な場所に南向きか東向きに置きます。
・家具の上に置く場合はきれいに掃除をし、清浄な状態を保てるようにします。
・背の高い家具がない場合は、壁や柱に両面テープで貼っても問題ありません。
御神札は神様の分身ですので、神様が嫌だと思いそうな場所に置かないように、心がけましょう。
6.そのほかの授与品について
・お守り 祈願成就のための肌守りとして、身につけます。
・御神土 神社のある土地の土です。ご自宅の敷地の四隅や玄関に撒きます。
・御神供 神様に捧げた供物です。ご家族でいただきましょう。
・御神酒 神様に御供えしたお酒です。
祈祷の流れ~寺院~
寺院の場合、宗派によって祈祷の詳細は異なりますが、多いのは御護摩祈祷になります。御護摩祈祷は個別に行われることは少なく、寺院が事前に設定しているスケジュールにあわせて参加する形式が多くなります。
1.申し込み
申し込み用紙に必要事項を記入のうえ、御護摩料を添えて申し込み堂内に上がります。
2.御護摩の火
御護摩の炎の中に、僧侶が護摩木という特別な薪を投入し、願いごとを清めて成就することを祈願します。お寺によっては、護摩木に名前と願い事をご自身で書いたものを奉納し、焚き上げることでご本尊様に願いを届けるという作法もあります。また、御真言を唱和するお寺もあります。
3.御護摩札拝受
儀式終了後は御護摩札をいただきます。御護摩札は、ご自宅の仏壇か清らかな場所にお祀りします。
合格祈願の祈祷、覚えておきたい注意点
祈祷は、靴を脱いで受けることが多いので、素足で本殿に上がることのないように気をつけましょう。また、祈祷は正式な参拝となるため、神聖な気持ちで臨めるように、フォーマルに近い服装を心がけましょう。