皆さんは「合格祈願」と聞いて、どんなことを思い浮かべますか?やはり「お参りする」「お守りを受ける」「絵馬を書く」といった神社に関係するイメージを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
「そんなのは気休め」と言われる方もいらっしゃるかもしれませんが、本人にとって受験勉強を頑張るための心の支えになったり、合格に向けての自信に繋がったりするなら、それは意味のあることだと思います。ときにはこういった験担ぎを楽しめる心の余裕も受験には必要なのではないでしょうか。
とはいえ、せっかく合格祈願に行くのですから、より効果を期待できる方法で祈願したいですよね?より効果を期待できる方法とは、より自分の心の支えや自信につながる方法です。一つの基準として「より効果が期待できる方法=正しい方法」だと考えることができます。少し前の話題になってしまいますが、ラグビー選手として有名な五郎丸選手がキックの前にしていた忍者のようなポーズはご存知の方も多いと思います。あれは五郎丸選手にとって、キックを成功させるために集中力を高めるルーティン、いわゆる儀式だったわけです。あの忍者のようなポーズが、五郎丸選手の正しい儀式の方法であり、自分自身がキックを成功する自信に繋がっていたのでしょう。
さて、合格祈願のために多くの方が参拝に訪れる神社にも正しい手順というものがございます。正しく参拝することは、自分の祈りがしっかり神様に届いている、という自信につながります。今回は、より良い効果を得るための、神社における正しい合格祈願のやり方について説明していきます。
○正しい合格祈願のやり方についての基礎知識
合格祈願に限らず、神様にお願いごとをする際に最低限知っておいていただきたい知識をまとめました。
合格祈願はどこに行くべき?
「八百万(やおよろず)の神」という言葉があるように、日本の神様は八百万の神様が存在すると言われています。より自信がつく合格祈願をするのであれば、学問の神様を祀っている神社に行ってみてはいかがでしょうか。全国各地に学問の神様を祀っている神社はございますので、ご自宅近くの神社を探してみるのも良いですし、受験勉強の気分転換に少し遠方の神社を探してみるのも良いでしょう。当サイトでも、別記事にて紹介していきたいと思います。
ちなみに当神社「頭之宮四方神社」も頭の神様として第五十代・桓武天皇の後裔(子孫)、そのご神霊を主祭神としてお祀りしています。(当神社の御由緒についてはこちら)
合格祈願で神様に伝えるべきこと
「私は〇〇に合格するために、全力で頑張ります!どうか見守ってお力添えいただきますようにお願いします!」という決意表明を伝えるとともに、お力添えをお願いしましょう。
合格してもしなくてもお礼参りを忘れずに
神様にお願い事をした後は、報告とお礼に行くのが礼儀です。合格祈願を行ったら、合格発表が終わった後に必ず「お礼参り」に行きましょう。
合格祈願のお願いの仕方やお礼参りについては、別記事「合格祈願に最適な時期っていつ?」でも紹介しています。
○正しい合格祈願のやり方3ステップ
こちらも合格祈願に限ったお話ではありませんが、参拝には正しい手順というものがございます。覚えておいていただければ、今後神社に参拝される際にスマートな立ち振る舞いができますよ。
他の参拝でも使える!正しい合格祈願のやり方
STEP1:鳥居のくぐり方〜参道の歩き方
一般社会と神域の境界線となるのが鳥居です。鳥居をくぐるときは、軽く身なりを整えて会釈してからくぐりましょう。鳥居をくぐる時にも参道を歩く時にも共通して気をつけておきたいポイントは「真ん中は神様の通り道」ということ。参拝者がど真ん中を堂々と歩くのは失礼にあたります。左か右、どちらかに避けて通るようにしましょう。
STEP2:手水舎(てみずしゃ)での身の清め方
神様にお参りする前に失礼のないよう、手水舎(てみずしゃ)にて心身を清めましょう。これを「手水をとる」と言います。
一連の手順は以下の通りです。
- 柄杓(ひしゃく)を右手に持ち、水を汲んで左手を洗います。
- 柄杓を左手に持ちかえ、右手を洗います。
- 柄杓を右手に持ちかえ、左手に水を受けて口をすすぎます。※柄杓に口をつけたり、水を飲むのはNGです!
- もう1度左手を洗います。
- 柄杓を縦にして残った水で柄を洗います。
ポイントは「1〜5までを1杯分の水で行う」のが正式なマナーです。
「手水」はただ手や口を洗うという意味だけでなく、禊(みそぎ)をシンプルにしたものだと言われています。心身の穢れ(けがれ)を清める禊は、伊邪那岐命(いざなきのみこと)が、死者の国である黄泉の国(よみのくに)から帰ってきた時に、全身を水に浸かって禊祓(みそぎはらえ)をしたことが起源と言われています。手水をとることで、私たちも俗世の穢れを清めてからお参りするわけです。
STEP3:参拝の仕方(鈴を鳴らす〜二拝二拍手一拝)
いよいよ参拝です。向拝(ごはい)に着いたら、鳥居をくぐった時と同様にまずは一礼。
次にお賽銭を賽銭箱に投げ入れます。お賽銭はなるべく丁寧に入れましょう。くれぐれも乱暴に投げつけたりはしないように…。
そして鈴がある神社では、ここで鈴を鳴らしましょう。鈴は、その清々しい音色で参拝者を敬虔な気持ちにするとともに参拝者を祓い清め、神霊の発動を願うものと考えられています。
さて、ここからは皆さんも耳にしたことがあるかもしれません。「二拝二拍手一拝」または「二礼二拍手一礼」といわれるアレです。
☆二拝二拍手一拝(二礼二拍手一礼)の手順☆
- 二拝(二礼):深いお辞儀(礼)を二回繰り返します。
- 二拍手:両手を胸の高さで合わせ、右手を少し手前にずらして拍手します。※ここで両手をきちんと合わせながら心を込めて祈ります。
- 一拝(一礼):両手をおろし、最後にもう一度深いお辞儀(礼)をします。
なお、神社によって二拝四拍手一拝など、拍手、お辞儀の回数が異なる場合があります。気になる方は、事前に確認しておくと良いでしょう。
ここまでの流れをしっかり実践できれば、神様も「おぉ、この子はなんて礼儀正しいのだろう!」と感心してくれるはずです。正しい合格祈願で受験勉強に弾みをつけましょう!
○正しい合格祈願のやり方まとめ
せっかくなら正しい心構え、正しい手順で。
様々なルーティン同様、合格祈願も一つの儀式です。正しい心構え、正しい手順で参拝することで、自分自身の心の支えや自信につなげましょう。
正しい心構えとは?
学問の神様の前で、「全力で頑張ります!どうか見守ってお力添えいただきますようにお願いします!」と決意表明をしましょう。お礼参りも忘れずに!
正しい手順とは?
鳥居をくぐったらそこは神域です。鳥居のくぐり方、参道の歩き方、身の清め方、参拝の仕方を守って、礼儀正しくお祈りしましょう。