絵馬で合格祈願!意味や由来、正しい書き方と奉納の仕方まで解説

絵馬とは?

絵馬とは、表側にさまざまな絵が描かれた木の板のことを指し、神様に祈願する際や願いを叶えていただいたお礼として、神社に奉納するものです。

ここからは、絵馬の起源や歴史を解説します。

絵馬の起源

古代日本では馬のことを神馬と呼び、神様が下界に降りてくる際の乗り物として神聖視しており、大願を祈願するときなどには馬を献上する風習がありました。

しかし、馬は高価だったため、いつしか献上できない人々は土で作った馬形や木で作った板立馬などで代用するようになり、奈良時代に木の板に馬の絵を描いたものが誕生しました。

これが「絵馬」のはじまりとされています。

絵馬の歴史

奈良時代までは神社に奉納されていた絵馬ですが、平安時代になると神仏習合思想が起こり、寺院にも奉納されるようになりました。

室町時代には大絵馬が作られたり、絵も馬だけでなく狐や菩薩などが描かれたりするようになり、安土桃山時代には、有名な絵師によって描かれた絵馬を鑑賞できる絵馬堂が成立しました。

そして、現代のように絵馬に願いをたくして寺社に奉納するのが庶民の間にひろまったのは、江戸時代の頃からとされています。

絵馬の書き方

基本、絵馬の書き方について作法としての決まりは特にありません。願いごとの書き方についても同様で、「絶対合格!」と言い切っても「合格しますように」としても大丈夫です。正しい書き方の正解は「心をこめて、ていねいに書く」ということにつきるようです。

とはいえ、押さえておきたいポイントはいくつかあります。ここからは、絵馬の描き方について解説します。

正しい絵馬の書き方

・願い事は裏面に書く

願い事は、絵が描かれていない、裏面に書きます。

・油性ペンで書く

特に指定はありませんが、願い事が雨などで消えたりにじんだりしてしまわないように、油性ペンを使用される方が多いようです。

・表面に「奉納」と書く

忘れがちなのが、「奉納」の文字です。絵柄のある表側に、神仏への「奉納」であることを明記しましょう。

・住所・氏名・年齢を書く

少し前までは、だれの願い事か神様に分かっていただくために、住所や名前を書くのが一般的でした。しかし、個人情報保護という観点から、神社側で禁止している場合もあるようです。もちろん、個人的に気になる方も多いことと思われます。

その際には、住所は詳しく書かなくてもかまいません。名前も、イニシャルなどにしても大丈夫です。最近は、ステッカーを貼ることができる絵馬もありますので、保護シールなどを持参するのも良いでしょう。

・参拝日を書く

最後に、参拝日を「令和〇年〇月〇日」と記入します。

書き方の具体例

最初にお話ししたように、合格祈願の書き方について、特別なルールや決まりはありません。ただし、「いつも(お守りいただき)ありがとうございます」や「神恩感謝」という、いつも見守ってくださる神様へのお礼の言葉を最初に添えることを推奨する神社もあるようです。

願い事の記入方法としては、宣言タイプ・祈願タイプ・四字熟語タイプなどがあります。

・「〇〇高校に、絶対に合格する!」

・「△△は〇〇高校に合格する!」(△△は受験する方の名前を入れます)

・「〇〇大学に合格しますように」

・「勉強頑張りますので〇〇大学に合格できますように」

・「〇〇大学 合格祈願」

いずれにしても、あいまいな内容ではなく、明確な意思を書き記すことが大切です。また、願い事はひとつに絞り、併願している高校名や大学名などは入れず、第一希望の学校名だけを記入しましょう。

書き方の具体例(図説)

神恩感謝  勉強頑張りますので〇〇大学に合格できますように
  東京都文京区〇〇 18歳  令和〇年〇月〇日 

絵馬の奉納方法と流れ

合格祈願の絵馬の奉納方法について、一般的な流れを解説します。ただし、神社によって異なる部分もありますので、迷った際には社務所の方などに確認することをおすすめします。

手順1

・参拝する

絵馬を手にするその前に、神社に参拝し「合格祈願のために参りました」と神様にご挨拶しましょう。もちろん、ここで「合格できますように」とお願いしてもかまいません。

手順2

・絵馬を授与していただく

お参りのあとは、授与所で絵馬を授与していただきます。授与所とは、お守りや神札をいただく場所を指し、「御祈祷受付所」などの表記があります。

手順3

・絵馬に願い事を書き込む

基本的に、絵馬を奉納できる神社には、願い事を書き込むためのスペースがあります。指定された場所で、神様に祈りを捧げながら記入しましょう。

手順4

・絵馬を奉納する

絵馬は持ち帰らずに奉納するものなので、絵馬を奉納できる神社には、絵馬を掛ける専用の場所があります。掛け方は、神様に願い事が良く見えるように、願い事が書いてある裏側を手前にして掛けるのが本来の作法とされています。

また、掛ける際には、誤って他の方の絵馬を落とすことがないように、余裕のある場所を選んでそっと掛けるようにしましょう。加えて、たくさんの絵馬が奉納されている場合は難しいかもしれませんが、可能であれば他の方の願い事を隠してしまわないような心遣いも必要です。

手順5

・お礼参りをする

めでたく合格となったあかつきには、感謝の気持ちを伝えるお礼参りをしましょう。

人に何かをしてもらった際にお礼をするのが当たり前であるように、神社にもお礼参りという慣例があります。お礼参りの方法は、手を合わせてお参りするだけでも良いですし、絵馬に書いてお伝えしても良いでしょう。

お礼参りは早ければ早いほど良いとされており、遅くとも1年以内が目安となります。

合格祈願の絵馬が奉納できる神社

ここからは、合格祈願の絵馬が奉納できる、合格祈願におすすめの神社を紹介します。ご参考ください。

釣石神社

宮城県石巻市北上町十三浜字菖蒲田305番地

https://1380.jp/index.html

「落ちそうで落ちない受験の神様」として有名な釣石神社の御神体は、巨石が中腹より突出し、しめ縄が巻かれています。宮城県沖地震や東日本大震災でもビクともしなかった事から、受験生に人気の神社です。

合格祈願の絵馬は「1000円」で奉納できます。

湯島天満宮

東京都文京区湯島3-30-1

https://www.yushimatenjin.or.jp/pc/index.htm

梅園があり観梅者も多い通称湯島天神は、学問の神様として名高い菅原道真公をお祀りしていることから、受験生に人気の神社です。

合格祈願の絵馬は「1000円」から奉納でき、お礼参りの際には「3000円」でだるまの絵柄の絵馬が授与されます。

本居宣長ノ宮(旧社名:本居神社)

三重県松阪市殿町1533-2

http://motoorinorinaga.org/index.html

本居宣長ノ宮は、江戸時代を代表する国学者、本居宣長をお祀りしています。本居宣長は国学者の研究成果では最高峰とされている「古事記伝」を著したことで知られており、その御神徳を求めて受験シーズンには賑わいを見せている神社です。

合格祈願の絵馬は、御祈祷の際に授与される「合格祈願お守りセット」にふくまれており、「5000円」から奉納できます。また、毎年1月の初旬に合格祈願祭を行っており、通常の授与品に加え、受験生の皆様の合格を祈願した特別なおさがりや、御神米などの授与も行っています。

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