当神社には毎年たくさんの方々が合格祈願にいらっしゃいます。お一人でいらっしゃる方、ご家族・お友達と一緒にいらっしゃる方、様々ですが皆さん真剣に参拝されています。そして、お帰りになるときには心なしかホッとした面持ちになっている方が多く見受けられます。
一方で、「合格するためには勉強するしかない!合格祈願なんてしてる時間があるならもっと勉強すべき!」という考えをお持ちの方もいらっしゃると思います。
神社の立場からは諸手を挙げて「その通り!」とは言えませんが、確かにもっとも大切なのは「努力すること」だと思います。努力を積み重ねて、自分の実力に自信を持って受験に臨むことが合格するためには必須と言えるでしょう。
では、合格祈願に行くことは全くの無駄なのでしょうか?
この疑問を解くためには、そもそも合格祈願に行く目的とは何なのか?どんな効果があるのか?を説明していく必要があります。
○合格祈願とは?
「神様のチカラで合格させてもらう。」はちょっと違う。
まず初めに、合格祈願は「神様、私の実力では無理そうなので、神様のチカラでどうか合格させてください!」というものではありません。「私は〇〇に合格するために、全力で頑張ります!どうか見守ってお力添えいただきますようにお願いします!」というお願いをするのが合格祈願の心構えです。
家族や友人の合格祈願の場合は、「〇〇さんは一所懸命頑張っています!どうか見守ってお力添えいただきますようにお願いします!」となるわけです。
あくまで本人の努力が大前提。その決意表明を兼ねてお祈りするのが合格祈願です。
合格祈願の目的
合格祈願といえば神社、という考え方は今でも一般的なイメージだと思います。他にも「パワースポット」と聞くとソワソワ(ワクワク?)しちゃう方もいらっしゃるかもしれませんね。神社に限らず、バワーがもらえると評判の場所に行って、合格するために「運気」をアップさせる方もいらっしゃいます。
先ほども申し上げた通り、本人が努力を尽くすのは大前提。でも、それ以外の「運」や「巡り合わせ」の要素は、努力ではどうしようもない部分です。「人事をつくして天命を待つ」というやつですね。
この「天命」の部分でも後押ししていただけるよう、神様にお願いするわけです。
○「お祈りする」という行為
お祈りをすることの意味として、一つは「神様にお願いをすること」「神様に感謝すること」など、神様との対話のために行う、というものがあります。
もう一つは、少し心理学的なお話になりますが、自分自身の精神や潜在意識に対して働きかかける、という意味があります。
例えば、以下のような効果が挙げられます。
①毎朝起きたときにお祈りをしてモチベーションアップ!
先ほども申し上げた通り、お祈りする心構えは自分自身の決意表明を含んでいます。
朝一に気合を入れて、モチベーションをアップする効果があるといえます。
②勉強前にお祈りをして集中力アップ!
お祈りすることは勉強に集中する前のスイッチとしても効果があります。
「さぁ、がんばるぞっ!」という気持ちで、勉強の効率を上げてみましょう。
③不安な気持ちをお祈りでリフレッシュ!
一時的な成績不振や、私生活の悩みで不安な気持ちになることは誰にでもあることです。
お祈りすることで前向きな気持ちになれることも多々あるでしょう。
もちろん、これらの効果も「気持ちの問題(気のせい)」と言ってしまえば、そうかもしれません。でも「プラシーボ効果」という言葉があるように、気持ちや精神の状態が体調に及ぼす影響は少なからずあると思います。心身ともに健康な状態で、受験勉強を頑張るためにも「お祈りする」ことで良い効果が得られるなら素敵な試みではないでしょうか?
○合格祈願に行く意味
ここまで、合格祈願の目的、お祈りの意味について説明してきました。では、合格祈願に行くことで、具体的にはどんな効果が期待できるのでしょうか。
精神的安定
やはりお祈りに行くわけですから、精神的安定を得られることは最も大きな効果と言えます。
人によって差はありますが、受験勉強は1年以上に渡る長い道のりです。その過程で、様々な不安や挫折を味わうこともあるでしょう。そんな苦難を乗り越えた先にある合格という目標を信じるための心の支えとして合格祈願に行くことはけして無駄なことではありません。
また、受験生を見守るご家族やご友人にとっても、合格祈願によって不安な気持ちを癒す効果が期待できます。
ストレス解消・息抜き
「時間があれば少しでも勉強しよう」という意識は大切ですが、完全に引きこもって勉強漬けになるのも、心身の健康の面では考えものです。たとえ近くに神社に参拝するだけでも、少し外に出て歩いてみましょう。合格祈願を理由に、心と体をリフレッシュするのも効率の良い勉強には大切なことではないでしょうか。
○合格祈願は意味がない?の答えはNO!
結論として、合格祈願に行くことが無駄、ということはありません。
合格祈願に限らず、神社に参拝するという行為は宗教的な意味だけでなく、心身を健康に保ち目的に向かって頑張れる、という具体的な効果が期待できます。だからこそ、日本の文化として定着してきたのでしょう。
ただ、何度も申し上げた通り、本人が努力することが大前提。受験が差し迫って大変な時に、無理に合格祈願の時間を割く必要はありません。少し余裕がある時期、早い時期に合格祈願に行くことがオススメです。直前に行かないとご利益がない、なんてことはありませんからね。
前向きな気持ちで受験勉強に集中するために、ぜひ合格祈願に行ってみましょう!